健康長寿に役立つ高齢薬膳

【羊肉】「陽」の食材でエネルギー源の気を補い滋養強壮に優れる

ラムのやる気炒め(提供写真)

 食事は陰と陽のバランスがとれていることが基本。陽の食材は体を温め、陰の食材は冷やして潤いを与えます。陽の食材が不足すると、なんだか気力が湧かない、動きたくない、疲れやすい、冷えるといった傾向が表れます。一方、陰の食材が足りないと、怒りっぽい、落ち着きがない、のぼせるといった症状が見られがちです。やる気を出すためには、陽の食材を取り入れることが必要なのです。

 おすすめは羊肉。陽に属する羊肉は、人間のエネルギー源である気を補い、滋養強壮に優れています。さらに、血を補う作用もあり、めまい、立ちくらみなどの改善にもおすすめ。そして、老化をつかさどる臓器「腎」の働きも高め、加齢によるトラブル全般に役立ちます。

 そして、寒さが厳しくなるこれからの季節にぜひ積極的に取り入れてもらいたい食材です。羊肉は肉の中でもっとも体を温める効能が高く、その食性は「熱性」。食べるストーブ級のヒートアップ効果があるのです。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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