アスリートの快眠術

安打製造機・内川聖一さんが語る睡眠 30歳を過ぎた頃に気付いた「思考の転換、自己暗示」

内川聖一氏(40歳、元プロ野球選手)/(C)日刊ゲンダイ

 そうやっていろいろと試す中で、30歳を過ぎた頃に気付いたことがあります。

 大事なのは、気の持ちようだな、と。

■「4時間しか眠れなかった」と「4時間も眠れた」

 眠らなければ明日に響く、少しでも長く寝ないとコンディションを崩してしまう……そんなことを考えすぎると、焦りにつながるし、逆にそれがストレスになる。そもそも野球でも、ゲンを担いだり、ルーティンをつくることを避けてきました。野球選手には、ヒットが出たら次の日も同じ道順で球場入りするとか、前日と同じものを食べるとか、ゲンを担ぐ人が少なくありません。でも僕は、なにか決まり事をつくってしまうと、性格的にそれに縛られてしまい、守れなかったときにそれが気になってしまう。

 睡眠に対する考え方も同じで、必ず8時間は寝るとか、質のいい深い睡眠を取ろうとは考えず、たとえ3時間しか眠れなくても、きょうはこれで十分なんだ、と考えるようにしています。自然に任せる、というか、ある種の自己暗示ですね。睡眠時間が短くても、こま切れになっても気にしない。4時間しか眠れなかった、ではなく、4時間も眠れた、と考えるだけで、精神的にだいぶ違いますよね。そうやってなんでもプラスに考える習慣がつけば、ストレスは軽減され、結果的にいい睡眠が取れる。

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