認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う

年末年始の帰省時に老親と一緒にやっておきたい「4つの認知機能低下対策」

写真はイメージ(C)PIXTA

 こういったデュアルタスクこそ、楽しんでやりたい。遠く離れた場所から電話で「運動しながら体を動かすといいらしいよ」と言うのではなく、帰省時に親御さんと一緒にやってみる。その面白さに目覚めてもらえれば、こっちのもの。あとはオンラインなどを使って、平時に戻った後も、時々一緒にやるといいでしょう。

■ネットの使い方に慣れてもらう

 帰省している間に子供世代がネット環境を整え、親御さんにネットに慣れてもらう。今後はこれがますます「生活に生きて」くると思います。

 実家の近くに、ネット環境の整備を任せられる人がいるなら別ですが、そうでないなら、ぜひこのタイミングで。

 そして、ネット環境に慣れた段階では、ぜひ「オンライン健脳カフェ」に登録してみてください。四六時中好きな時間に、認知症予防に関する多くの知識や、体操や栄養教室などに関する多くの動画を見ることができます。

 2023年も認知症で知っておきたいポイントをたくさん届けていきたいと思います。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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