幸福ホルモン「オキシトシン」とは? ストレス、肥満、発達障害にも効果ありと注目

幸福ホルモン「オキシトシン」を増やしてストレス社会を乗り切る(C)日刊ゲンダイ

 薬といえば、オキシトシンは陣痛促進剤として、かなり以前から使われている。このオキシトシン、人やペットとのふれあい、自分で自分を抱きしめる、他人への親切・優しさといった刺激で分泌が促進されることが明らかになっている。さらに最近、食もオキシトシンの分泌を促進することが研究(非盲検クロスオーバー比較試験)で証明された。山口教授と食品メーカーのカルビーが、人間を対象とした研究を行ったのだ。

 被験者(18~37歳の健康な女性12人)に朝食としてフルーツグラノーラ、ご飯、パン、オートミールを食べてもらい、唾液のオキシトシン量を測定し比較。すると、いずれも“何も食べない”よりは分泌量が多く、その中で最もオキシトシン分泌量が高かったのがフルーツグラノーラだった。

「オキシトシンの分泌量は、ペットの犬をなでたり触れ合ったりしたときの上昇率とほぼ同じ。海外の研究で味覚や嗅覚などに働きかけると、脳の反応が高いという結果が発表されており、フルーツグラノーラがオキシトシンの分泌に対して最も強く作用したのも、適度な甘さと、香ばしい香りがオキシトシン分泌に寄与したと考えられます。オキシトシンを指標として数値化し、客観的に比較して食との関係を検討した研究としては、恐らくこれが初めてです」

 朝食で甘く香りのあるものを食べ、人と交流する--。オキシトシンを増やす生活で、ストレス社会を乗り切ろう。

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