認知症の主な症状には、脳の神経細胞の障害で起こる認知機能障害「中核症状」と、中核症状と環境要因・身体要因・心理要因などが相互作用して生じる「BPSD(認知症の行動・心理症状)」があります。
アパシーは、自発性、発動性、興味、関心、動機付け、感情などが低下した状態のことで、BPSDの中でよくみられる症状です。BPSDには徘徊、興奮、妄想、幻覚、暴言暴力、収集癖、多動などもあり、これらと比較してアパシーは日常生活で大きな問題が生じないため、周囲から気づかれないことも珍しくありません。
しかし、外出しなくなることから運動量が減少し、筋肉量が低下。歩行が困難となって、より外出しなくなる悪循環に陥る可能性があります。食べることに関心を示さなくなれば、フレイル、サルコペニアが進む可能性もあります。早めに発見し、早めに対策を講じることは、非常に重要です。
第一人者が教える 認知症のすべて
認知症でも脳に器質的変化があるとうつ症状が出やすくなる
周囲に無関心になる「アパシー」の可能性も