海外の食事習慣を日常的に取り入れるのはなかなか難しい。日本人が馴染みのある食事ではどうなのか? 福岡県糟屋郡久山町で食事調査を受けた認知症のない60~79歳の住民1006人を17年間追跡した成績(久山町研究)を用いて、認知症との関係を九州大学の先生らが調べました。
すると、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、藻類、牛乳・乳製品の摂取量が多く、米の摂取量が少ないという食事パターンが抽出され、果物・果物ジュース、芋類、魚の摂取量が多く、酒の摂取量が少ないとの傾向も見られました。
この食事パターンをスコア化し追跡調査で食事パターンスコアと認知症発症との関係を検討。結果、この食事パターンの傾向が強い群ほど、すべての認知症の発症リスクが有意に低下しました。
「大豆や野菜などの摂取量が多く、酒の摂取量が少ない」というのは納得できるとして、「米の摂取量が少ない」ことに疑問を抱いた人もいるかもしれませんね。米は日本人にとって外せない主食ですから。
第一人者が教える 認知症のすべて
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