がんと向き合い生きていく

老化した体のあちこちが気になってルーティンワークが増えた

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 寝る前のルーティンはたくさんあります。以前、奥さんから「男はいいよね。寝る前に何もしなくてよくて。ただ、酒を飲んで、寝てしまうのだから。女は化粧落としや髪の手入れ、いろいろあるのよ」と言われたことがあります。しかし、Gさんは長い間、体の手入れが悪かったせいか、今になってたくさんのルーティンが必要になってしまいました。

 若い時に深酒をして帰った時は、そのまま歯磨きもせず寝ていました。翌朝には「もう飲むまい」と決心しても、夕方にはどうしても飲みたくなるのでした。これは自分でも不思議に思いました。

■がんではないと分かってはいても…

 10年ほど前、夜中に目が覚めるようになり、奥さんからはイビキがひどいのを注意され、睡眠クリニックに行ったら、睡眠中の酸素濃度が低いことが分かり、睡眠時無呼吸症候群の治療で使われるCPAP(シーパップ)という機械を就寝時に装着することになりました。CPAPはマスクで顔を覆うので、最初は寝苦しく感じたのですが、今では装着したほうが安心して眠れる気がしています。ただ、朝、目が覚めた時、マスクが顔から外れていることがあります。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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