個人的と言いつつ一般的なことを言う状況は、“みんながマスクをしているのは、周りがしているから”というだけではなく、個人的な判断の結果が“みんなマスク”という現実をつくっているということかもしれない。
その個人的な判断が、一体どんな判断なのか、少し考えてみたい。
■マスク着用に対する態度は日本的な“何か”と深く関係している
先に紹介した研究発表会では、発表者が「個人的な疑問なんですが」と言うときの、なんとなく申し訳なさそうな雰囲気が、どの発表者にも共通しているように思われる。これはどういうことだろうか。「個人的な疑問」は「私が勝手に思っているだけで、たいして重要なものではないかもしれませんが」という言い訳がましいところや、あるいは「私のような者が個人的な考えを述べるのは厚かましいですが」という謙遜みたいなことが含意されている、というのがひとつの仮説である。
医療だけでは幸せになれない