S先輩について、ある医師は「彼と比較すると、自分がいつも損をして生活しているように思う」と言われます。S先輩は何をするにも手際がいいからです。
科内の調整がとても上手な方で、部長をはじめとする上司は、さまざまなことで彼に意見を求めたように記憶しています。その点でもS先輩は貴重な存在だったと思います。また、何事も先、その先を読める方でした。S先輩のような生き方がとても羨ましく思いました。
夜になると、S先輩は直接家に帰ることはなく、1、2軒、お酒を飲まれてから帰宅されました。飲み方もとても上手だったと思います。日本酒はほとんど飲まれず、ウイスキーの水割りばかりでした。一緒に飲み終わると、私は医局に戻って寝泊まりしていました。
■マージャンやゴルフも得意だったが…
がんと向き合い生きていく