S先輩はマージャンやゴルフも得意分野だったのですが、この分野については何も教わってはいません。私には勧めませんでした。私のことを勝負事は向かない人間と、そう判断されていたのかもしれません。
S先輩はご自身のお父さまが亡くなられた時以外は仕事を休むことはありませんでした。
びっくりしたのは、ある日曜日です。お昼近くになって、いきなり「おい、ちょっと付き合え」と言われました。夜はよくお付き合いさせていただきましたが、日曜の昼に誘われることはほとんどありませんでした。先輩2人と私とで、病院の近くにあった、ある医院に行きました。そこには奥さんとお嬢さんがいらっしゃって、一緒にお茶を飲んで、帰りました。後で聞くと、お嬢さんと私を会わせることが目的だったのでした。
この話は、私が嫌われたのか、また私にもその気がなかったためか、その後、何も進展しませんでした。何かと不器用な私を見るに見かねて、お世話くださったようにも思います。
がんと向き合い生きていく