Dr.中川 がんサバイバーの知恵

作家・西加奈子さんはカナダで…海外でがん発覚、治療は現地か帰国か

西加奈子さんの著書「くもをさがす」

 もし読者の皆さんが今後、カナダ・欧州型の国に長期滞在するなら、女性のようなスタンスはありだと思います。全体として現地の医療体制をうまく利用しながら、たまに日本で検査を受けるようにするのです。

 ちなみに日本はどうかというと、自由主義的な米国の医療とカナダ・欧州型の中間で、ややカナダ・欧州型に寄っているところでしょう。もし米国で暮らす予定がある方は、ことがん治療に限ると、日本で治療するスタンスがいいと思います。先日、亡くなった坂本龍一さん(享年71)は米国での治療が失敗し、残念な結果になっていますから。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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