承認されたアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」ってどんな薬?

岩坪威教授(C)日刊ゲンダイ

 実はレカネマブに先駆けて、世界の注目を集めた薬がある。アデュカヌマブだ。

「アミロイド斑を除去する作用があり、レカネマブ同様アルツハイマーの根本的原因に働きかける。しかし大規模臨床試験の中間解析で効果なしとの予測が出て、2019年には開発中止。その後、追加データで解析し直したところ、認知機能低下抑制効果があるとなりましたが、最終的にはアメリカで21年に条件付き承認、日本では承認見送り、継続審議となり、現在は新たな臨床試験の結果を待っているところです」

 条件付き承認とは、仮の承認のこと。正式な承認を得るには、新しい臨床試験で効果を証明しなければならない。

 岩坪教授は、レカネマブがアメリカで正式承認、日本でも承認間近となったポイントは次の3つにあると説明する。

 まず、試験対象者を「早期アルツハイマー病」に限ったこと。

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