「腫瘍マーカーの上昇が緩やかになるだけで、女房が喜ぶんです。『来年まで持たないかも』なんて言うと、『そんなこと言わないで』って泣くんです。女房をがっかりさせたくはありません」
その方は、自分の死を恐れることはなかったですが、家族や友人を悲しませるのが嫌で、いつも一人で優しく対応されていたのです。
記事によれば、ご主人の容体が安定していると、夫の運転で2人で新田さんの仕事現場に向かうこともあるといいます。今は新田さんもご主人の病気を受け入れ、2人で病気に立ち向かっていることが見て取れます。闘病の姿はケース・バイ・ケースですが、患者も家族も、お互いの気配りが欠かせないと思います。
新田さんの記事で興味深いのは、ご主人のSNSの使い方です。SNSに病気を公表すると、同級生に同じ病気の経験者が3人いて、闘病の励みになったといいます。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵