たとえば、胃がんや大腸がんの早期で内視鏡で切除でき、入院が数日で済むようなケースは、家族のみに知らせて、会社や周りには内緒でもよいかもしれません。しかし、そうでなければ家族にも周りにも伝えるのが楽ですし、実際、励みになります。
内閣府の調査で、がんの治療と仕事の両立が「難しい」との回答は57%。一番の理由は「体力的に困難」(24%)ですが、以下は「代わりがいない、頼みにくい」(21%)、「治療で休むことを許してくれるか分からない」(19%)など職場の調整の難しさが並びます。
治療と仕事の両立には、治療選択も重要ですが、何よりも職場にがんであることを伝えないことにはサポートを受けられません。その点でSNSでの告知は、仕事の調整に必要なこととリンクすると思いますから、悪いことではないでしょう。私も膀胱がんが見つかったとき早期でしたが、進行がんの可能性にも備えて家族や職場、友人に伝えました。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵