クリニックで毎日糖尿病の診療を続けていて、一番悩むのは医療費の問題です。
糖尿病の治療にはお金がかかるのです。それも最新の良い治療をしようと思うほど、患者さんの医療費の負担は増えてしまい、それで患者さんは治療の継続をしづらくなる、というジレンマがあります。
糖尿病の治療薬として、今最も患者さんの予後の改善に結び付く可能性が高いのは、2型糖尿病の場合、SGLT2阻害薬とGLP1であることは間違いがありません。
その2種類の薬の登場以前に使用されていたのは、主にメトホルミンとSU剤、そしてDPP-4阻害剤でした。
メトホルミンも患者さんの長期予後を改善する可能性のある、ポテンシャルの高い薬ですが、欠点は血糖を下げる作用の弱いことです。
メトホルミンだけで良好なコントロールを得られることはそれほど多くはなくそのために他の薬を併用することになります。併用する薬の中で、副作用はあまりないけれど効果は弱いのがDPP-4阻害剤、効果は強いけれど低血糖の危険性が高いのがSU剤です。
糖尿病治療を激変させた新たな薬「SGLT2阻害薬」の正体とは? 医師が解説
良い薬は高い、というジレンマ