その臨床試験の結果では、通常の糖尿病治療にエンパグリフロジンを上乗せして使用することにより、3年程度という短期間で、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化による病気のリスクが、14%有意に低下していました。更には総死亡のリスクも有意に32%低下していたのです。
糖尿病があると、ない場合と比較して、動脈硬化の病気やがんは増え、結果として健康寿命が短くなります。それまでの糖尿病の治療では、血糖値を下げることはできても、こうした病気の増加やそれによる健康寿命の短縮を、改善することはできなかったのです。それが世界標準の厳密な科学的試験で初めて、エンパグリフロジンの治療が健康寿命を改善することが確認されたのです。これは画期的な試験結果でした。
その後エンパグリフロジン以外のSGLT2阻害薬でも同様の試験が行われ、ほぼ同等の有効性があることが確認されました。