しかし、それ以外は特に安全性に関する不安もなく、安全に使用可能な飲み薬として、その評価は日々高まっていると言っていいのです。
私はすぐに新薬には飛びつかない方針なので、クリニックで本格的に使い始めたのは16年になってからですが、これまでのべ700人ほどの患者さんに使用し、おおむね良好な治療効果が見られています。
処方の対象としては2型糖尿病の患者さんで、足の血流が悪い人や、膀胱炎を繰り返しているような人には処方をしていません。その範囲でいうと、尿路感染で困ったということはほとんどありませんし、安全に使用が継続できています。ただ、中には尿の回数が多くなったという訴えで、使用が困難となった方はいます。
ひとつ事例をご紹介します。事例はEさん。40代の男性で、健康診断の空腹時血糖が252㎎/デシリットルと高く、糖尿病のコントロールの指標であるHbA1cは11.2%と上昇していました。