糖尿病治療を激変させた新たな薬「SGLT2阻害薬」の正体とは? 医師が解説

良い治療をしようと思うほど医療費の負担が増える…

 普通に考えるとインスリン注射が必要と思われるレベルですが、暴飲暴食、お酒も多いなど、かなり乱れた生活をされていたので、まず生活改善を指示し、薬はSGLT2阻害薬のエンパグリフロジン10ミリグラムとメトホルミン500ミリグラムで開始しました。

 すると血糖値は2週間で147㎎/デシリットルまで低下し、HbA1cは1カ月後には7.8%、2カ月後には6.5%と良好なコントロール状態となり、その後1年を経過した時点でも良好な状態は持続しています。当初はメトホルミンと併用でしたが、3カ月目からはエンパグリフロジン単剤でも、良好なコントロールは継続されているのです。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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