がんと向き合い生きていく

30年前にボリビアで出会った少年はいまどうしているだろうか

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 ボリビアで診療されていた小児科医・伊勢泰先生の当時の論文を読み、納得したような気になりました。

「ボリビアの小児にはわが国には日常茶飯事時に見られる立ちくらみ、乗り物酔いなどを主徴とする自律神経のアンバランス(起立性調節障害)をみることはきわめてまれである。つまり、タフなのである。ボリビアにはわれわれが失ってしまっているものがたくさん存在する」

 私がまだ小さい頃、車酔いが特にバスに乗るとひどかったことを思い出しました。旅行は好きでしたが、いつも車酔いが心配で、酔い止めの薬を乗車前に飲んだものでした。それに比べて、ボリビアの少年はタフなのです。

 あれから30年以上がたちました。あの子たちは、そして牧場の皆さんはどうされているだろうか。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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