まず、手術後は寝たきりにさせることなく、座らせるところから入ります。床にかかとをつけて、背もたれに頼ることなく座れるというところまで進めて体に重力を感じさせれば、立つ、歩くといった最低限のリハビリも迅速に行えます。
ただ、早期にリハビリを開始する場合、患者さんの状態が悪くならない程度に実施しなければなりません。そのためには、主治医と、現場で実際にリハビリを担当する理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の連携が欠かせません。PT、OT、STは医師ではありませんから、病気についての詳しい専門的な知識は持ち合わせておらず、主治医から「あとはそっちでやっておいて」と指示されるだけでは、怖くて適切なリハビリは行えないのです。良質で治療成績が優秀な急性期病院では、少なくとも一度は主治医とスタッフが合同で患者評価を行い、リハビリの方針を決めています。
初めにお話ししたがん治療における術前リハビリや、術後の早期リハビリが適切に実施されている急性期病院は、治療成績が良く入院期間も短いことが数字ではっきり示されています。そういう急性期病院なら、安心して治療を受けられると判断していいでしょう。
正解のリハビリ、最善の介護