正解のリハビリ、最善の介護

慢性期で本格的なリハビリ訓練を入所で行える施設はあるのか

「ねりま健育病院」院長の酒向正春氏(C)日刊ゲンダイ

 その受け皿として、「介護医療院」が新設され、さらに従来からある「老健」や「特別養護老人ホーム(特養)」が位置づけられています。いずれも要介護の高齢者を対象とした施設です。

 ただ、厳密には入居目的が異なり、介護医療院は「長期間にわたって療養する生活施設」、老健は「在宅復帰に向けたリハビリを受ける施設」、特養は「生活支援を受けながら長期間にわたり生活する施設」になります。

 このように、要介護の高齢者を対象とした施設はいくつもあるのですが、「本格的なリハビリ」を受けられる可能性があるのは現時点で老健しかありません。一応、リハビリを実施している慢性期病院や特養もあって、それをサービスポイントにしている施設もあるのですが、一般的な慢性期病院や特養では、「週に1回、リハビリができます」といった程度なのが実情です。

■「老健」は1日30分毎日できる

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酒向正春

酒向正春

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

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