それらを考慮した場合、本格的なリハビリを希望するなら老健しか選択肢がないということになります。しかし、現実的には、一般的な老健は3カ月間の生活支援を受ける施設となっています。それは、攻めのリハビリを行える体制がつくれないためです。
そもそも老健は「在宅復帰に向けたリハビリを受けることを目的とした施設」ですから、保険診療の制度上で毎日1単位(20分)のリハビリが行えます。また、老健に入る高齢者のほとんどは認知機能が低下しているので、「認知症リハビリ」というプログラムを週3回実施できます。1回20分が週3回なので、すべてを合計すると1日平均30分のリハビリができるということになります。老健の入居期間は原則3カ月(90日)と決まっているのですが、その期間にあたる90日間、1日平均30分のリハビリを毎日できる仕組みが整っている慢性期の施設は老健しかないのです。
正解のリハビリ、最善の介護