そもそも、食べ物だけでなくあらゆるアレルギーは心臓血管疾患と大きく関係しています。アレルギーというのは、体内にウイルスや細菌などの異物が侵入してきたときに排除しようとする免疫反応が過剰になることで、体にとってマイナスになる症状を引き起こす状態です。そのアレルギー反応によって体のどこかで炎症が生じ、繰り返していると慢性炎症が起こります。すると、炎症性サイトカインなどの生理活性物質が放出され続け、全身の血管の内皮にダメージを与えて動脈硬化を促進したり、血栓ができやすくなったりします。つまり、アレルギーは心臓血管疾患のリスク因子といえるのです。
心臓を守るためにも、自分がどんなものに対してアレルギーがあるのかを日頃から意識しておくことは大切です。先に触れた食物アレルギーをはじめ、花粉症、アトピー性皮膚炎、小児喘息、金属アレルギーなどの疾患がある人はもちろん、たとえば、季節の変わり目に久しぶりにエアコンをつけるとくしゃみが止まらなくなるとか、いくつかの果物を食べると口のまわりがかゆくなる、といった“そこまで深刻ではない”と考えてしまうようなアレルギー反応がひとつでもあれば、アレルギー体質だといえます。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」