健康長寿に役立つ高齢薬膳

【ゴボウ】「肺」の熱を冷まして鼻トラブルに威力を発揮

ゴボウおろしそば(C)日刊ゲンダイ

 中医学において、鼻のトラブルは「肺」と呼ばれる臓器と関係が深いと考えます。肺の機能が弱まり「邪気」と呼ばれるウイルスや細菌が侵入することによって、症状が現れます。改善のためには肺の炎症を鎮める食材を取り入れることが大切です。

 おすすめはゴボウ。肺の余分な熱を冷まして炎症を鎮めるとともに、解毒作用による殺菌効果で鼻づまり、鼻水の改善に威力を発揮してくれます。

 ゴボウは中国では主に薬用として用いられ、その種は「牛蒡子」と呼ばれる生薬です。優れた解熱・消炎作用があり、熱を伴う風邪、喉の痛みや腫れ、咳止めに優れた効能があるとされています。花粉症による鼻トラブルにも良く、利尿作用によって鼻水の原因となる体内の余分な水を排出し、むくみの改善にも役立ちます。

 そのほか、食べ過ぎで太り気味、便秘気味の人にはぜひ取り入れてもらいたい野菜です。過剰に発生した熱を下げることで食欲を鎮めてスリム化、快便に効果的です。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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