健康長寿に役立つ高齢薬膳

【菊花】こもった熱を冷まし、薬膳では目のトラブルに必ず使われる

目薬菊花茶(C)日刊ゲンダイ

 中医学においては、花粉症を引き起こす原因として人間のエネルギー源である「気」が関係していると考えます。気が不足すると免疫力が低下し、抵抗力がなくなるのでアレルギー物質が侵入し、症状が発生してしまうのです。

 花粉症は症状によって対策が異なりますが、目にトラブルが起きる場合は、おおむね身体の上部に余分な熱がこもっている状態と考えます。

 さらに目は、中医学で「肝」と呼ばれる臓器と関係が深く、肝の機能が低下すると、目の疲労につながりやすいといわれています。じつは、春は肝と関連の深い季節。気温の上昇とともに体内のエネルギーも高まり、それに伴い肝の働きが過剰になって、バランスを崩しやすいのです。つまり春はそもそも目のトラブルが多い季節で、花粉の影響も受けやすいのです。

 改善のためには、体の上部の熱を冷まし、肝をサポートする食材を取り入れることが大切です。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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