健康長寿に役立つ高齢薬膳

【菊花】こもった熱を冷まし、薬膳では目のトラブルに必ず使われる

目薬菊花茶(C)日刊ゲンダイ

 おすすめは菊花。乾燥させたものは生薬としても使われ、薬膳において目のトラブルには必ず使われる食材です。身体の上部にこもっている熱を冷まして、花粉症による目の不調をスッキリさせるのに役立ちます。疲れ目、目の充血、ドライアイなどにもよく、まさに「目薬」のような存在なのです。花粉症による鼻やのどのかゆみ、鼻づまりにも効果があります。

 また、ストレス解消にも効果大。ストレスがたまっている状態とは、中医学では人間のエネルギー源である「気」の流れが滞った状態と考えます。気の巡りは西洋医学の自律神経に重なり、そのコントロールがきかずに精神不安定となり、イライラしたり、怒りっぽくなると考えます。菊花は気の巡りをスムーズにして、イライラした気分を鎮めてリラックスさせてくれる働きがあるのです。

 食用菊が入手しづらい季節は、通年使える乾燥品が便利。中華食材や中国茶を扱う店舗で入手可能なので、お茶にしてこまめに飲むとよいでしょう。お刺身をいただくときは「小菊」も食べることを忘れずに。花びらの部分をしょうゆに入れて、刺身と一緒に食べると美味しくいただけます。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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