ただし、脳萎縮の画像診断を行うだけでは意味がありません。それにプラスして、患者さんの状態を詳しく評価することが必要になります。とりわけ、認知機能と精神症状の評価が重要です。
認知機能では、「記憶機能」、ひとつのことを意識して集中する「注意機能」、計画を実行したり効果的な行動をする「遂行機能」、間違いを改める「修正機能」がどうなっているのか、物を認識できるのか、日中に覚醒状態が変動するのか、取り繕いがあるのかなどを評価します。精神機能では、怒りっぽくなる「易怒性」があるのか、「被害妄想」があるのか、「幻視」や「幻覚」があるのか、夕方になるとそわそわとせん妄が始まり夕暮れ症候群が起こるのか、情動の調節がうまくいかず過度に感情が表れる「感情失禁」があるのかなど評価します。
脳萎縮に加えて精神・認知機能障害があれば、ADL(日常生活動作)も低下します。その場合、回復期病院に入院して初めて認知症と診断されるケースもあります。
正解のリハビリ、最善の介護