どこまで回復できるのか、そのためにはどのようなリハビリを行えばいいのかを判断できれば、回復のための適切なリハビリ計画を立てることが可能になるのです。
運動器疾患や廃用症候群の患者さんの脳の画像診断で、脳卒中などの脳損傷が見つかれば、今回のリハビリ治療に加えて、脳卒中の再発予防と脳科学リハビリテーション治療の要素をプラスする対応が必要になります。
一方、脳卒中などの脳損傷がなければ大丈夫かというと、決してそうではありません。人間力を回復させるリハビリが必要になる患者さんのほとんどは80歳以上で、その多くの方に脳萎縮が存在しているためです。
脳萎縮の詳しい状態は脳の画像診断で明らかになります。とりわけ、どこに脳萎縮があるのかを把握することが大切です。①脳幹や小脳に萎縮が強いのか②前頭葉と側頭葉に萎縮が強いのか③前頭葉、側頭葉、頭頂葉のすべてに萎縮が強いのか④側頭葉の海馬の萎縮が特に強いのか……これらはすべて脳の画像でわかります。
正解のリハビリ、最善の介護