動脈硬化は、脳梗塞、心筋梗塞、脳出血といった命に関わる疾患につながります。とくに、加齢によって動脈硬化が進みやすいシニアにとっては、脂質異常症と判断された時点での速やかな対応が、重篤な疾患の予防にとって重要です。
中医学において、脂質異常症は主に「血」の巡りが滞った状態が関係していると考えます。「瘀血」(おけつ)と呼ばれる状態で、身体の末端にまで栄養が行き届かず、新陳代謝が低下して老廃物が身体にたまりやすくなっているのです。さらに、ドロドロとよどんだ血液の中に、脂肪をためこむという結果に陥ります。
また、血の巡りが悪いと、慢性的な肩こり、関節痛、頭痛といったトラブルが見られ、身体にしこりができやすくなります。よって、がんなど悪性腫瘍のリスクも大。女性の場合は、子宮筋腫、子宮内膜症といった婦人科系の不調に悩まされる傾向があります。
健康長寿に役立つ高齢薬膳