だから、病気をしてから自分が食リポをする折は、あまり大げさに「オイシイ」を言わないようにしています。食べたくても食べられない人が見ているんだということを意識し始めました。
結局、3週間弱で退院した後、食生活は大幅に変わりました。僕の場合、脂物とアルコールの取り過ぎが膵臓に負担をかけていたので、その2大原因を激減させたのです。それまでは、天ぷらやカツ丼といった脂物が大好きで、そればかり食べていました。40代ぐらいまでは“野菜なんか食べなくていい”と思っていたくらいバランスや栄養には無頓着で、背中には吹き出物がいっぱいでした。
お酒はもともと量を飲む方ではなかったのですが、芝居のことで大きなストレスを抱えていた時期に、珍しく毎晩アルコールを飲んでいました。ビールにウイスキーを混ぜたりして、酔えれば何でもよかった。そんなふうに酔わないと眠れない状態が3カ月ぐらい続いた頃に、あの痛みがきたのです。
独白 愉快な“病人”たち