高脂血症の総患者数は約206万人。男性が約60万人、女性が約146万人で、女性患者が圧倒的に多いという特徴を持っています。ただし、これは「主たる病気が高脂血症」の患者数の話。実際には糖尿病や高血圧、動脈硬化や脳梗塞など、より深刻な生活習慣病を抱えている患者の多くが高脂血症を合併しています。しかし、そのような患者のうち、何人が高脂血症のクスリを継続的に飲んでいるかは、明らかになっていません。
ただ性別・年齢別の数字は公開されています。全年齢の総処方量は、男性が約21億8000万錠、女性が約27億9000万錠で、やはり女性のほうが多く処方されています。しかし、その差は高脂血症患者数ほどには開いていません。男性の生活習慣病患者の多くが高脂血症を合併しているからでしょう。
<表>は年齢・性別の処方量をまとめたものです。男女とも30代までの処方量は少なく、40代に入ってから処方量が増えてきます。しかし、40代前半で比較すると、男性の処方量が女性の3倍もあります。40代後半でも2.5倍以上の差です。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。