独白 愉快な“病人”たち

写真家・加納典明さんは手術4度 恐怖より興味で前向きに

「正確な判断がすべて」と語る加納典明さん(C)日刊ゲンダイ

■手術のため心肺を一時的に停止

 言われていた大動脈弁がいよいよ限界になり、「大動脈弁狭窄症」との診断。心臓の弁が硬くなって開放が制限されてしまう病気で、主な原因は加齢。治療は人工弁に置き換えるもので、「心肺を一時的に停止させて行う開胸手術」とのことだった。

「楽じゃないな」とは思ったが、事の次第がはっきりしていればゴチャゴチャ言わずに前に進むのがオレの性分。ただし、弁は25年の耐久性があるといわれるカーボン製がベストだと思えた。一般的な生体弁(牛の心膜や豚の心臓弁)は長くて15年ぐらいしかもたないらしい。まだやりたいことがたくさんあるオレにとっては、25年でも足りないくらいだけどね。

 執刀医は、循環器専門の榊原記念病院の高梨秀一郎先生でした。その世界ではトップクラスの医師で、その先生を慶応病院が呼んでくれたんだ。

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