愉快な“病人”たち

一色伸幸さん うつ病は「心のかぜ」ではなく「心のがん」

一色伸幸さん(C)日刊ゲンダイ

 うつの正体は、実際のところわかりません。でもひとつだけ言えるのは、「気の持ちようなどではない」ということ。個人的には「心のかぜ」ではなく、「心のがん」だと思ってます。がんと同じ「病気」です。がんなら1~2年闘病することを誰もためらわないでしょう。でも、うつだとなかなかそうはいかない。わかってほしいのは、治療しないと死を選んでしまうこともあるし、治りきらないまま仕事に復帰すると再発を繰り返す可能性があるということです。

 ボクは幸い、丸2年間、すべての仕事を休んで療養に専念できました。そのおかげで復帰から20年以上経ちますが、とても元気です。

 うつ病になったのは、2人目の子供が生まれ、脚本家として切れ目なく仕事をしていた30代前半です。自分で言うのもなんですが、わりと生真面目なタイプで、書き始めると昼夜を問わず仕事にのめり込んでしまう生活でした。そしてなぜか“死”や“無になる”という思いにとらわれ始めてしまったんです。

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