独白 愉快な“病人”たち

日常生活もままならず…野口健さんが壮絶ヘルニア体験語る

野口健さん(C)日刊ゲンダイ

 聞けば、何人もの有名なアスリートのヘルニアを内視鏡手術で治している先生でした。ボクが「来年ヒマラヤに登りたい」と言うと、「じゃ、すぐやろう!」と言うのです。それが2016年の夏でした。

 手術は、内視鏡で神経が当たる部分の骨を削るというもの。要は脊椎に穴を開けるわけです。一歩間違えば半身不随になる難しい手術とのことでしたが、西良先生は「大丈夫。来年にはヒマラヤに行けます」と飄々と言ってくれたので、直感で信頼してお任せすることにしたんです。

■退院2日後に富士山へ

 手術は全身麻酔で4~5時間。傷はわずかで痛みも少なく、2日後には自分でトイレに行け、1週間もするとリハビリ室で軽いトレーニングができるようになりました。 と同時に、主治医がうちわを手にボクの病室に来て、「阿波踊りの練習をしよう」と言い出しました。さすが徳島だと思いましたね。それがまた真剣で、手術から10日後、退院を迎えたとき本当に阿波踊りに参加しましたよ(笑い)。

3 / 5 ページ

関連記事