痛風と縁が深いのが尿路結石です。尿酸値は高いのに痛風発作が起きない人は、むしろ尿路結石ができやすいといわれています。これで亡くなった中高年男性は13人でした。腎臓内や尿管に石が詰まって排尿が妨げられると、急性の尿毒症を発症し、死に至るのです。
痛風や尿路結石は、あまりの痛さに悶え死にするのだという俗説がありますが、それについては医学的根拠が希薄です。
いずれも、かわすためには尿酸値を下げるしかなく(7.5㎎/dl以下)、結局は「痩せる」か「クスリ」かの選択に迫られます。しかし遺伝的な素因も影響しているようで、必ずしも「痩せたから下がる」というほど単純ではないようです。
無理せずクスリに頼るのも悪くありません。私も40代で痛風発作に繰り返し襲われ、尿酸値を下げるクスリを飲み続けています。恐らくは一生飲み続けることになるでしょう。しかし痛みから解放されたのですから、文句は言えません。それに苦しいダイエットもしないで済みますから。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。