独白 愉快な“病人”たち

17年に現役引退…今浪隆博さんが甲状腺機能低下症を語る

今浪隆博さん(C)日刊ゲンダイ

 正直、その頃もまだ深刻に捉えてはいませんでした。月1回、病院で血液検査を受け、処方された薬を毎朝食後に3錠飲むだけで体調は良かったですし、野球のほうも技術的にピークといえるほどで、「これから全盛期を迎えるんだ」と思っていましたから……。

 そのままシーズンが終わり、12月と翌1月の自主トレも問題なくこなし、春季キャンプにも参加しました。ところが、2月後半からオープン戦が始まると、また体調が悪化しました。でも、病院で血液検査を受けても数値的には問題なしなんです。

 休んだら体調は回復するので復帰し、成績はいいのにまた体調が悪くなり……その繰り返しが続きました。何とかしたいと別の病院を受診したり、メンタルトレーナーに相談してみたり、おはらいに行ってみたりもしました。でもどれも効果がなくて……。結局、「もうプロでやるのは厳しい」と諦めて、球団からの戦力外通告を受け入れ引退しました。

4 / 6 ページ

関連記事