独白 愉快な“病人”たち

格闘家の征矢貴さん「クローン病」との壮絶バトルを語る

征矢貴さん(C)日刊ゲンダイ

 ヒュミラも効かなくなってきたのが去年の半ばでした。生物学的製剤は3~4種類あるけど、いずれは全部効かなくなってしまう。最終的には手術しかなく、手術をしたら格闘技はできないと思ったので、何とかしなければ……とネットで必死に調べました。

 それでヒットしたのが「大阪の松本医院でクローン病が治りました」という一文でした。詳しく調べてみると、ステロイドなどを使わず、自分の免疫力で治す病院だと知り、「これだ」と思って去年の9月ごろにさっそく大阪まで出向いたんです。

 独自の理論を持つユニークな院長は、生物学的製剤を一切やめ、漢方薬と鍼と抗ヘルペス剤で僕を寛解まで導きました。その道のりには、薬をやめたことによる壮絶な症状悪化が伴いました。腸が腫れて狭窄してしまうので、便が通るたびに激痛でうずくまる毎日……。食欲はうせ、高熱も出て、とにかくキツイ。それが1カ月ほど続きました。それでも「試合に出る」という明確な目標があったから耐えられました。もしそれがなければ痛みに耐えきれず、生物学的製剤に頼って振り出しに戻っていたかもしれません。

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