独白 愉快な“病人”たち

走れなくなって…Jリーガー畑尾大翔語る慢性肺血栓塞栓症

畑尾大翔さん(C)日刊ゲンダイ

 2013年、僕はあえて留年を選び、大学5年生となった9月に手術を受けました。首の大きな血管から肺までカテーテルを通して血栓を取り除くのですが、1日目は右肺、2日目は左肺と連日の手術でした。普通は手術の間隔を1週間あけるところを早く復帰したいという気持ちを察して先生が強行してくれたのです。退院時に「リハビリはどうしたらいいですか?」と尋ねたら、「それはキミのほうが分かるでしょう? また血栓ができたら来ればいいんだから、とりあえずやっておいで」と背中を押してくれました。

 松原先生が処方してくれた薬はワーファリンとは違い、12時間で薬効が切れる血液サラサラの薬です。僕の病気では脱水状態や長時間同じ体勢でいることがNGなので、就寝時には薬が必須です。ただ、日中、脱水にならないことや同じ姿勢でいないように気を付けていれば現状問題なく、飲まなければ普通の人と同じように血が止まるのでプレーもできるというわけです。

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