あなたを狙う「有毒」動物

ムカデ咬傷の6割は夜間に自宅で受傷 半数以上は夜間救急へ

夜、テントの中に侵入する習性が…

■噛まれた場所をヤケドしない程度に温める

 とはいえ咬まれても、命に関わることは滅多にありません。主な症状は激しい痛みです。痛みの感じ方には個人差があり、なんとかガマンできるという人もいれば、あまりの痛みに動くことすらできない人までさまざまです。痛み以外では、咬まれた場所が腫れることがあります。とはいえひどい腫れではありません。また頭痛や倦怠感が出る人もいます。

 痛みに対する応急処置として「43℃以上に温めるとよい」と昔から言われてきました。実は海外でも同様で、患部を火傷しない程度に温めるとよいとされています。ムカデ毒には数種類の酵素が含まれているのですが、高温によってそれらが失活するからだと考えられています。逆に氷などで冷やすのも有効と言われています。低温にすると、やはり酵素の働きが鈍くなるからでしょう。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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