進化する糖尿病治療法

糖尿病の治療薬そのものが認知症対策に役立つ可能性あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 日本で多く処方されている糖尿病治療薬になります。

 研究では、記憶力や思考力の障害を感じ、受診した平均76歳の男女282人が参加。全員が研究開始時の認知テストで同様のスコアを示しており、282人中70人が糖尿病でDPP-4阻害薬の治療中、71人が糖尿病だけど薬物治療を受けておらず、141人は糖尿病ではありませんでした。

■DPP-4阻害薬服用者は認知機能の低下が遅かった

 参加者全員が認知症が疑われる時に行われる検査「MMSE(ミニメンタルステート検査)」を12カ月ごとに2.5年間受けたところ、DPP-4阻害薬を服用していた群は平均0.87ポイントの低下でしたが、服用していなかった群は同1.65ポイント低下、糖尿病でない群では同1.48ポイント低下でした。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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