研究を行ったのは、オーストラリアのガーバン医学研究所の研究者です。70~90歳の高齢者1037人を6年間追跡。調査開始時は全員、自宅で生活しており、認知症の兆候はありませんでした。
1037人のうち、123人が糖尿病で、67人がメトホルミンを服用。6年間の研究期間中、2年ごとに認知機能テストが実施され、メトホルミンを服用していた糖尿病患者は、服用していない患者に比べて認知機能の低下が遅く、認知症のリスクが低いことがわかりました。さらに、メトホルミン服用の糖尿病患者は、糖尿病でない人に比べても認知機能の低下が6年間で差がなかったのです。
とはいえ、DPP-4阻害薬もメトホルミンも、あくまでも臨床研究の結果。
糖尿病の薬は、患者さんの症状や年齢などに応じて最適なものが選ばれているので、「認知症対策のために別の薬に替える」ということはできません。
しかし、薬も漫然と続けるだけのものではなく、適宜、見直しが必要です。そのきっかけにも主治医に相談してみるのも手かもしれません。
進化する糖尿病治療法