この論文を受けて、同様の研究が世界中で一斉に始まりました。たとえばアメリカの別の研究チームが71万人の献血者のデータを使って解析し、A型はO型と比べて膵臓がんリスクが2倍以上も高いという結果を得ています。ただしB型とAB型は人数が少なかったので、統計的に有意な結果は得られませんでした。
イタリアなどの研究チームは、5400人の患者を対象として、O型と比べて非O型のリスクが約1.3倍という結果になりました。またドイツの別の研究では、手術患者627人を対象にしており、非O型はO型と比べて、やはり1.3倍リスクが高いとしています。
日本でも研究が行われました。愛知県がんセンターを受診した膵臓がん患者185人を対象としたもので、B型、とりわけ遺伝子の組み合わせがBB型では、O型と比べて3倍以上リスクが高いという結果を出しています。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。