がんと闘うための「心構え」…動揺や不安を抱えたまま大きな決断をしてはいけない

担当の方針を参考にして、自分で情報を集めることも大切だ

「うろたえないガン治療」の著者でがん難民コーディネーターの藤野邦夫氏はこう言う。

「がんと告知されたら、すぐに治療法を医師任せにしてはいけません。『体に何が起こっているか』『どんな治療法が実施されているか』『主治医の最初の判断に誤りがないか』『自分のがんに合った、より負担の少ない有効な治療法はないか』などの情報を集め、場合によっては病院や医師を選ぶ必要があります」

 病院や医師を選択する際、確実な基準のひとつになるのが、自分のがんの治療例や手術例の件数だという。国立がん研究センターの全国188の病院に関する発表(2017年)によると、肺がんの手術例の多い病院では5年生存率が約70%だが、少ない病院では2.3%だった。年齢や進行度を考慮していない数値とはいえ、治療例や手術例の多い・少ないは、治療成績に大きく関係すると考えたほうがいい。

 そうした情報は各病院のホームページで確認できる。また、インターネットやSNSでは玉石混交の情報が飛び交っているので、がん情報を集める際は「国立がん研究センター」や「公益財団法人がん研究会」など信頼できるサイトを参照したい。

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