中医学では、呼吸器をつかさどる臓器である「肺」の機能が低下することによって痰が出やすくなると考えます。肺は乾燥に弱い臓器です。大気が乾燥する秋は肺も乾燥しがちで働きが衰えやすくなるため、痰のからみも悪化する傾向があります。
肺はほかの臓器と違って外気に直結している分、その微妙な変化をキャッチしやすいという特徴があります。そもそも肺が弱い人は季節の変わり目、環境の変化でも症状がひどくなりやすいので注意しましょう。
改善のためには肺の働きを高めて潤いを与えるとともに、痰を取り除きやすくする食材を取り入れることが大切です。
おすすめはハチミツ。肺を強めてしっかりと潤いを与え、痰のからみを改善します。また、喉のトラブル全般に高い効果があり、咳、喉の腫れや痛みにも役立ちます。
ハチミツは薬膳において、さまざまな薬効を持つ食材です。疲労回復、胃痛や腹痛の改善、食欲不振にもよく、滋養強壮に優れた威力を発揮します。また、腸に潤いを与えて便秘を改善したり、高血圧、目の充血にも役立ちます。
健康長寿に役立つ高齢薬膳