人気医師の和田秀樹がズバリ教える「老化を遅らせる生活」

あなた、私が寝たきりになったらどうする?(C)日刊ゲンダイ
60代からの夫婦 相手のオムツを替えられるか

 仕事を続けるにしても現役時代のようにフルタイムではなく、プライベートも楽しみつつなのが高齢者の仕事だろう。そうすると、夫婦の時間が現役時代より増える。実はそれがストレス源になりかねない。

「夫源病という言葉があるように、妻にとって定年退職した夫が朝から晩まで家にいられるのはとにかく苦痛。在宅の夫はストレス源で、妻は抑うつ傾向を示すようになることがあります。私のような老年精神科医が抑うつ状態の初老女性を診察するときは、夫の影響を前提にするほどです」

 家にいる夫は、妻に食事の支度を要求。妻が外出しようものなら、「昼メシはどうなるんだ」と怒鳴る。そんなイザコザが続くと、妻は外出したい欲求を抑えてストレスをため込んで、腹いせに掃除を始め、「邪魔だからどいて」と夫を邪険にすると、怒りが怒りを呼び、互いが相手のストレスになる悪循環だ。

「女性にも、男性ホルモンが分泌されていて、閉経後は相対的に男性ホルモンが多くなります。高齢女性がアクティブに外出するようになるのは、男性ホルモンの影響も強い。逆に男性は、男性ホルモンが少なくなって、意欲が低下し、引きこもりがちになる。良好な夫婦関係のためにも、活力のためにも、高齢男性は男性ホルモンを補充するといい」

12 / 15 ページ

関連記事