■ほどよい距離感=自由の尊重
そのうえで、60代からの夫婦生活は、現役時代よりも距離感が大切になるという。
「60代以上は若い世代よりも専業主婦が多く、夫が仕事をしている間、家庭にいる妻は自由でしたから、その世代の女性にとって、引退後の夫は自由を奪う存在でしかありません。だから距離感が必要なのです」
ほどよい距離感とは、夫婦の自由を尊重することだ。具体的に?
「昼食は自給自足で、自分で食べること。何も夫が自分で調理する必要はなく、コンビニやスーパーで買ってくればいい。可能なら、朝食も別々をいとわないのがベターです。そして妻が外出するとき、行き先を詮索せず、『一緒に行く』などと言ってはいけません。そして誤りやすいのが、共通の趣味です。若いころから一緒に楽しめることがあるならともかく、60代から共通の趣味を持つのはナンセンス。それぞれ異なる趣味を尊重するのが正解です」