薬が6種類を超えると、副作用の頻度が15%近くに上昇。認知症が疑われた人のうち、2割は複数の薬を服用したことによる副作用だったという報告もある。
それで薬を見直したところ、物忘れや傾眠傾向などが改善。中には、寝たきりだった人が歩くようになるなど劇的によくなるケースもあるという。
「たとえば1歳児と13歳の中学生が風邪になったら、医師は体の大きさに応じて薬の量を調節して処方します。それが成人になると、そうでもありません。やせ細った高齢者と元気でふくよかな50代が同じ病気なら、同量の薬が処方されるのです。おかしいですが、それが現実。たとえ“適正”な処方量でも、高齢者に副作用が起こりやすいのは、このことも影響しているのです」
75歳以上は、24%が7種類以上の薬を服用しているというから心配だ。なるほど、薬の見直しが欠かせない。