第一人者が教える 認知症のすべて

中年期の肥満はアルツハイマー型認知症のリスクを3倍上げる

(C)日刊ゲンダイ

 認知症と肥満の関係でもうひとつ念頭に置いて欲しいのは、「高齢者のBMI高値は認知症発症のリスクにならない」ということ。

 高齢男性4181人(平均年齢75.3歳)の8年間の追跡調査で、BMI減少群、増加群、維持群で比較したところ、認知症リスクが最も高いのは減少群で、最も低いのは維持群との結果が出ています。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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