アルツハイマー型認知症が疑われる場合、病院ではどのように診断していくのか? 一般的に、問診票への記入後、本人や家族に対しての医師の問診、診察(内科的診察、神経学的診察、認知機能検査)と共に、画像検査が行われます。
認知症の診断で最初に注意が必要なのは、せん妄との鑑別です。高齢で入院すると、多くの場合にせん妄が生じます。興奮や多動などを伴う過活動型のせん妄であれば比較的鑑別しやすいのですが、せん妄の75%は無気力が特徴の低活動型ともいわれており、一見、認知症のようにも思えます。
見極めのポイントとなるのは、「急激に発病」したかどうか。認知症であれば、「急激に」というのはありません。せん妄であれば、それを引き起こす因子(多くは薬や身体疾患)が取り除かれれば回復します。
ほかに間違われやすい病気としては、まずうつ病をはじめとする精神疾患。老人性のうつ病を認知症と、また逆に認知症をうつ病と診断されるケースがあります。両方が一緒にある場合もあるので、診断が難しいのです。
第一人者が教える 認知症のすべて
軽度認知障害の時期に対策を講じれば、健康な状態に戻れる
せん妄との鑑別に注意が必要。「急激な症状」かどうかがポイント