次に、てんかん。てんかんで物忘れが生じることがあり、それを認知症と診断されることがあるのです。発作の有無の詳しい聞き取りや、脳波の検査が、てんかんの見極めに役立ちます。
これらの病気でもなく、やはり認知症が考えられる--。ここから先で重要になってくるのは、「治る可能性のある認知症かどうか」あるいは「ほかの病気に伴う認知機能低下かどうか」です。
認知症はいろんな症状の集まりである状態、医学的には「症候群」と呼ばれるもので、病気の名前ではありません。認知症の中には、いくつかの病気があるのです。どの病気に該当するのかで、治療や対応が異なります。
治る可能性のある認知症としては、〈表〉の通り。また、甲状腺機能低下、ビタミンB欠乏、肝脳疾患があると、それらの身体的病気に伴い、認知機能低下が見られることがあります。
第一人者が教える 認知症のすべて